2017年11月24日

【教師ブログ】 2017.11.24 「巻き寿司の話」

 秋のある日、学校に行くと事務室に美味しそうな「巻き寿司」
が届けられていました。私は、誰がそれを作ったか名前を
聞かなくてもすぐに分かったので、3階にかけ上がり、
巻き寿司を作った男子学生に「ありがとう」とお礼を言いました。
彼は、「いえ」と小さな声で返事をすると同時に、
美味しそうな「巻き寿司」がギッシリ詰まったもう一つの
タッパー容器を遠慮する私に「どうぞ、どうぞ」と差し出すのです。
本当に美味しい「巻き寿司」でした。


この中国人男子学生は、10月入学当初、ほとんど日本語が話せず、
語彙コントロールを充分にきかせた教師の質問の意味も理解出来ず
にいました。明るく答えるクラスメートに、少し気遅れしていたに違いありません。
私は、ときおり一番前に座っていたその学生に、
休憩時間ゆっくりした語彙で話しかけていました。


そんなある日の休憩時間、その学生が私に携帯の中の一枚の写真を見せるのです。
そこには、美味しそうなお刺身を盛りつけた大きなお皿が写っていました。
「これ、誰が作ったの?」「私です」
私は、みんなにその写真を見せました。
「ワ〜上手!上手!」みんな絶賛しました。
それからは、毎日嬉しそうに前日の晩ごはんの写真を見せてくれました。
どれも、上手に作られた美味しそうな料理の写真です。
そして、私がそれをみんなに見せ、またみんな絶賛する・・・
そんな楽しい休憩時間が続きました。


第13課の授業〜「〜を〜たいです」の文作で、
みんな、「洋服を買いたいです・パソコンを買いたいです・・・」など
の文を発表する中、彼は「私は刺身庖丁を買いたいです」と
サッと質問に答えられたのです。彼の日本語の上達に驚く日々でした。


彼が巻いた「巻き寿司」は、仲間であるクラスメートの
あたたかい心と、日本語の学習に対する前向きな心が
一杯詰まっていたから、本当に美味しかったんですね。

FXFI1693.JPG
写真は寮で自炊をする学生

もし、彼に一緒に日本語を勉強する仲間が居なかったら、
そして、日本語が上達したいという前向きな心が
なかったなら、きっと「巻き寿司」は、巻けなかったと
思います。
私は、AKK文化学院の学生たちに出会ったことをとても
嬉しく思っています。みんな、夢に向かって頑張ってね〜☆

                     栗原啓子
posted by AKK文化学院 at 09:04| Comment(0) | 教師ブログ
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